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2009年12月03日 (木) | Edit |
本日は、DEAD LOCKシリーズ・2つの目の番外編という事で
小冊子【Chara Collection EXTRA 2009】の中から
   
d4_convert_20091130211138.jpg

英田サキ著『Fall in love again』を
ピックアップです。



3段組で10ページほどのショートなのですが・・ええ、ショートなんです。
なのに、このたかが10ページから受ける濃厚さはいったい何!!
この10ページの世界に、まるごと1冊分に相当する厚みを感じてしまいました。

本当に凄い作家さんです。


大事なトコロ(ヒカルが感動してる場面)は
落としたくないな~なんて、あらすじ組み立ててたら
長くなってしまいました。'`ァ'`ァ'`ァ(;´Д`)'`ァ'`ァ'`ァ

ネタバレ かも~~~んな、アナタ  だけ

続きから よろしくお願いします。(✿ฺ´∀`✿ฺ)ノ


コルブスを追っていた頃のCIAエージェント、
チャック・ルイスから受けた任務を無事成功させディックは
少しでも早くユウトの元へ、ユウトとの大事な約束を守るために戻らなければならなかった。

反政府ゲリラに誘拐された政治家とそのボディガード、
かってはディックの仲間だった男ラリー・ケベックを奪還する作戦にディック以上の適任者はいない。

デルタにいた頃、反政府ゲリラと長期に亘って戦ったディックには
彼らの基地がどこにあるのか、
危険な密林の中にどういう罠がしかけられているのか熟知している。

ディックが道先案内人として作戦に参加すれば成功率は格段にアップするのは間違いなかった。

政治家と一緒に誘拐されたラリーには何度も命を助けられている。
今度は、自分が彼を救いたいと思うのだが、
すぐに任務に参加する返事は出来なかった。

4年間のブランクを恐れたわけじゃない

ユウトの事が真っ先に浮かんだからだ。

今の自分にはユウトがいる。
これからの人生はすべてユウトに捧げると誓った男がそんな重大な事を勝手に決められるわけがない。


話を聞かされたユウトは予想以上の強い拒絶をあらわにした。

顔色を変えディックを引き止め
「どうしても行くというなら自分と別れてからにしてくれ」とまで言い放った。

必死なユウトを見てディックは彼を置いて行けないと思った。

ユウトが嫌がることはしたくない

ユウトを絶対悲しませたくない

世界中で一番大切な相手の気持ちを最優先させるのは、
ディックにとって当然だった。




だが・・・・・・・・・・

結局はユウトに背中を押され数日後にはLAを飛び立った。

「独立記念日の花火を一緒に見ると約束してくれ」とユウトが言いだし
ディックはユウトの望むままに
「7月4日の花火は必ずユウトと一緒に見る」と誓った。

約束を終えると

「仲間を助け出して来い」とユウトは言った。

乱れる感情を必死で押さえ苦しげな表情を見てディックは理解した。
こんな些細な約束が欲しかったのは、ディックが帰ってくるまでの心の支えが欲しかったからだ。

ユウトはディックが過去に悲惨な形で仲間を失って苦しんできた事を知っている。
ここで、昔の仲間を見殺しにすれば、またひとつ重い荷物を背負い込む。
そう思ったからこそ、辛い決心を下した。

『絶対に、帰ってきてくれ。
お前がいなきゃ駄目なんだ・・・・・・』

涙をにじませながら呟いたユウトの顔が今も瞼の裏にはっきりと焼きついている。


今日は独立記念日だ。
―――― 早くユウトに会いたい。



ほんの十数時間前まで南米のジャングルで武装ゲリラを相手に壮絶な撃ち合いをしていたが
今回の作戦では数名の怪我人のみで重症を負った隊員はいなかった。
ラリーはひどく衰弱してたがディックの顔を見た時、最初は驚愕し次には目を真っ赤にしてディックと強い抱擁を交わした。退役したはずのディックがここにいるのは、仲間を思う気持ち、ただそれだけだ。

ヘリコプターを降りたディックを迎えたのはチャック・ルイスで作戦の成功を労う。
チャックからは自分をCIAエージェントとしてまだまだ活用したいという思惑が見える。

頼んでおいた飛行機のチケットは夜の10時にLA到着で、
それでは、ユウトとの約束に間に合わない。
直行便は無理だが乗り換えて10時間かけて帰る方法もあると告げられて
ディックは疲れていてもそちらを選択した。

ロッカールームでユウトに電話をかけてみたが、繋がらずユウトの声は聞けなかった。

世間では独立記念日だが、事件が起きれば刑事のユウトたちには関係ない。
ディックは留守電に8時到着というメッセージを残して電話を切った。

空港にむかう黒塗りの公用車には先客が乗っていた。
ガーナンド中佐はディックの見送りをしてくれると言う。

ガーナンドは厳しい上官だったが情に厚く若い隊員には父親のような存在だった。

「お前がデルタを去ってからもう四年が経った。お前にとって、どんな四年だった?」

語り尽くせないほど多くのことがあった。

コルブスにフランクとジョナサンとノエルを殺され生きる気力を失い軍をやめた。
その後、CIAの誘いでコルブスの暗殺を請け負い復讐だけに生きた。
ネイサンという人物に成りすましたコルブスを追ってシェルガー刑務所に潜り込み
そこで、運命の相手、ユウトと出会った。
暴動、脱獄、DCでのユウトとの再会、コロンビアでのコルブスの死・・・・

「古巣が懐かしくなっただろう。戻って来る気はないか?」

「もうそんな体力はないですよ。」

 軍に戻る気はない、ときっぱり返答するディックにガーナンドはあっさり引き下がった。

「お前が元気そうだったから、つい欲が出ただけだ。好きに生きればいい」

ガーナンドと最後に会ったのはコルブスの爆弾で負傷した時だ。
あの時のディックは生きる屍だった。

「・・・・・サー。今さらですが謝らせてください。散々お世話になったのに、黙って軍隊を去ってしまったことを心からお詫び致します。」

「まったく今さらだな。だが気にするな。兵は来ては去っていく。それが軍隊の常だ。生きてここを去れる者は幸せだな」

お前が今、こうやって生きていられることに心から感謝し、そして
生かされていることを幸せだと思え・・・ディックにはそう言われた気がした。

昔の写真が出てきたから持って行けとガーナンドから封筒を渡される。

LA直行便に乗り継ぐまで時間がある事から、ディックはユウトにもう一度電話をかけたが結果は前回と同じだった。
さすがに心配になりパコに電話をかけてみた。
麻薬課とDEAの合同捜査に出ており今日あたり大捕物があるらしい。
パコの明るい声を聞いて安心出来たディックはバッグを胸に仮眠をとる事にした。




夢を見た


どこかの山中でゲリラと戦っている。
すぐ隣にはフランクがいて少し向こうにはジョナサンとノエルの姿が見える。

ひとり残らず殺せ・・・・・という命令で
息のある者を見つけては用心深く射殺していく。
子供であろうと命を絶つ。
そうしないと、また新たなゲリラやテロリストを生むことになる。

最後に死体を埋める作業が始まり、ディックはやりきれない辛気くさい気分をどうにかしたくて話かける。
「なあ、ノエル。ビーチハウス用に小さなボートを買おうと思うんだ。」

返事を待ったが声は聞こえてない。

ディックは回りを見たが、そこには、誰もいなかった。
埋めてる穴の中にノエルを見つけ、ディックはすぐさま飛び降りてノエルの身体を起こそうとしたが埋まっていたのはノエルだけじゃなかった。フランクもジョナサンも他の仲間も・・・全員がむごたらしい死体となって穴の中に横たわっている。

叫び声が上がった瞬間、目が覚めた。

悪夢はいつも現実と虚構が絡み合って生まれてくるものだ。

戦地から持ち帰った記憶の欠片は、致死量に満たない毒と同じだ。慢性的な苦しみをもたらし続け、生きてる限り解毒されることはない。


シャツの胸ポケットに入れた封筒を取りだし
今しがた夢であった仲間達と最後に過ごしたクリスマスの写真だ。

懐かしく思いだしながら、一枚一枚じっくり眺めていると
我知らず、目頭が熱くなってきた。


この世界のどこにも、彼らがもう存在していないという当たり前の事実が

ただたまらなく悲しかった。

自分だけが生き残ったことに、罪悪感を持っていたディックだったが、
それは死者への冒涜だと気付かせてくれたのは
ユウトだった。

「ディック、幸せになることに、罪悪感を持つ必要はないんだ。
もし、お前が俺よりも先に死んでしまったとしても、残された俺が
不幸になればいいなんて思わないだろう?

だから、仲間たちも同じはずだ。
きっとお前が幸せになることを心から望んでいるはずだ。
だから、彼らのためにも、もっと幸せにならなきゃ」

コルブスへの復讐も自分の自己満足に過ぎなかった。
自分がそうしないと生きていけなかったから。

痛々しい彼らの死に様ではなく、生きていた頃の姿を思いだすと
悲しみは消え去り温かい何かが胸の奥から沸いてくる。

俺の心の中には、いつまでもお前達がいる。だからさよならは言わない。

出会いがあり別れがある。何かを得て何かを失う。そのくり返しだ。
過去は変えられないが、未来は自分次第でいくらでも変わっていく。

ディックが思い描く未来にはどんな時もユウトの存在が欠かせなかった。



飛行機は定刻通りに到着し、アパートの前で車を降りた時には9時を回っていて
あちこちで花火が上がっている。

ユウティが尻尾を振って飛びついて来る。

開いたテラスの向こうに花火とは対照的に寂しげなユウトの後ろ姿が見える。

「ただいま」頬にキスを落とすとユウトは視線を花火に向けたまま小さく頷いた。

あまりにも素っ気ない態度がディックを不安にさせる。

「嬉しくて声が出なかったんだ。―――おかえり、ディック」

ディックはユウトを抱きしめる。

「俺はどうにか間に合っただろう?お前との約束をちゃんと守れた」

「ああ。でも俺はお前がこうやって無事に戻ってきてくれただけで、十分嬉しいよ。」
 怪我はない?仲間は無事だったか?

ディックは「すべて上手くいったよ」と答えた。

きちんと決別できずにいた過去と、真正面から向きあえた事がディックにとっては収穫だった。

ノエル達が死んでから、軍人時代の事はできるだけ思いださないようにしてきた。
だが、それは間違っていた。
苦しいことも、辛いことも、悲しいことも、楽しかったことも、嬉しかったことも
すべてが貴重な体験だった。

無駄な経験はひとつもなかった。

素晴らしい人達と共に過ごせたあの頃を、心から誇りに思う。



これから先もずっと一緒に花火を見ようと言うディックにユウトは嬉しそうに微笑んだ。

ディックは
「花火は来年も見られるからと、今はそれよりも大事な事が・・・」と腕を引っ張ってユウトを室内に。

ユウトが欲しくて死にそうなディック

「ん・・・・・・ま、待って。ストップ。ディック、先にシャワーを浴びさせてくれ」

「断る」

前回同様、ここでもシャワーを浴びさせてもらえないユウトです。
もしや、ディックは匂いフェチ?( ̄▽ ̄;)

即答して抱き上げられベッドに放り投げて、すかさず覆い被さり激しいキスを開始する。

久しぶりのせいかユウトはやけに敏感で、盛り上がったままひとつになったのは良かったが、かってない早さでどちらも達してしまった。

「・・・・・・どうしょう。これは記録的な早さだ」

「こんな、こんなに早いのは・・・十代の時以来だ。」

二人で吹き出し
「シャワーを浴びてから仕切直しだ。不名誉は早めに返上する」というディック


「無事に帰ってきてくれて、
 
 ありがとう。

 信じていたけど、不安だったんだ。

 ディックは約束を守ってくれた。

 本当に嬉しかったよ。

 今年の独立記念日は、今まで過ごした独立記念日よりも

 素晴らしいものになった。」

頷いて寝室を先に出たディックは声が震えそうで何も言えなかった。

hakusyu.gif

4年という時間とユウトというかけがえのない存在があるからこそ
過去と向き合う事が出来たディックです。

ひとり残らず殺せ・・・・・という命令で
息のある者は子供であろうと射殺していく・・・・・

こんな状況に身を置いて任務をこなしてきたディック
人を殺し、仲間を失い、屍となりながらも、生き続けたからこそユウトとの出会があった。

過去はすべて現在のための必然だったようにも感じます。

ディックの背中を押したユウトの心情も痛いくらい伝わって来ました。

生きて無事に帰る事の難しさを知ってるからこそ、自分の中で深い葛藤があったのだと思います。



ディックにはユウトの存在があるからこそ、生きて帰らなければならなかった。

ユウトが何よりも強い支えになっていたのです。



もしも・・・・もしもですよ。
ディックが戻らなければ、約束に間に合わなければ、どうなっていたのでしょうか?

ユウトは現地まで飛んでいきディックを探し続けるような気がします。

もう、この二人は、離れては生きていけないようなイメージを最後の方で感じてしまいました。

やっぱり、このシリーズは好きです。

生前のコルブスの生き方も気になりますが・・・・・・・


小冊子【Chara Collection EXTRA 2009】には大好きな
F&Bシリーズと
二重螺旋シリーズのショートがあります。

二重螺旋は、
小説キャラの「紲-きずな-」と
Chara Collection EXTRA 2009の「スタンド・イン」は
連動した内容でした。 


本日はこれにて  whitelong4.gif









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