FC2ブログ
--年--月--日 (--) | Edit |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2010年05月19日 (水) | Edit |
今年の本屋大賞「天地明察」であります。
久しぶりの更新なのにBLじゃ無くて申しわけありませんです。


著者は冲方 丁(うぶかた とう)氏
蒼穹のファフナーの脚本されてる方です。
蒼穹の

ライトノベルの方でお名前を知っていたのですが
手にする機会がなく今回の「天地明察」が初です。

さて、BL好きな私が注目させられたのは 下の本 『冲方 丁』 氏の処女作です。

黒い季節黒い季節
(2006/12)
冲方 丁

商品詳細を見る


STORY

暴力団員の黒羽組の藤堂惣一郎は少年を車で轢いてしまう。明らかに死に至る事故。しかし少年は無傷で、記憶を失っていた。そのまま男の家で暮らすようになったその妖しいほどに美しい少年に、男は「穂」という名を与える。やがて少年の背に彫られた両目がない美しい無明龍の入れ墨に導かれるように、藤堂は彼の出自を辿り始めるが。不思議な力を持ち、世界に贖われた存在―少年と男の再生の物語。『マルドゥック・スクランブル』の冲方丁、珠玉のデビュー作。

ヤクザと妖しいほどに美しい少年・・・・・
                       
おお!まるでBL のようじゃありませんか 20090927234341e5f.gif

本屋大賞の本よりむしろ、こちらの方が気になります。( ̄∀ ̄*)腐腐腐・・・



天地明察は500ページ近くある単行本ですが
とても読みやすくて、あっという間に読み終えてしまいました。

面白かった?と聞かれれば、「とても興味深く読めた」という感じでしょうか。


天地明察天地明察
(2009/12/01)
冲方 丁

商品詳細を見る


STORY

江戸時代、前代未聞のベンチャー事業に生涯を賭けた男がいた。ミッションは「日本独自の暦」を作ること―。碁打ちにして数学者・渋川春海の二十年にわたる奮闘・挫折・喜び、そして恋!早くも読書界沸騰!俊英にして鬼才がおくる新潮流歴史ロマン。


冲方 丁
1996年、大学在学中に「黒い季節」で第1回スニーカー大賞を受賞しデビュー。以後、小説を刊行しつつ、ゲーム、コミック原作、アニメ制作と活動の場を広げ、複数メディアを横断するクリエイターとして独自の地位を確立する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


簡単な感想で宜しければ
続きから 宜しくお願いします。reading02.gif
古いものから新しいものに流れが変わる時

そのチェンジに至るまでが決して簡単ではないと思います。

新しいものを築くための検証は果てしなく長い

800年という長い間使ってきた「暦」が、
ここに来て2日ずれている事を知り
ようやく新しい暦を迎え入れる時がやって来ました。
そのプロジェクトに主人公の「渋川春海」が起用されます。


渋川春海は江戸時代に実在した人物です。

小説はその生涯が閉じられるまで語られてますが
物語の中心は23歳から45歳までの22年間
改暦に挑む人生をドラマチックに描いてます。



春海は徳川家に仕える碁打ち

碁は武士の教養の一つとされ、その場は政治的な根回しに利用された。
碁打ちの交友が武家、神官、寺社、公家と広範囲な事から
その人脈は大名をはるかにしのぐ。
老中は指導碁として碁打ちから様々な情報を得ていた。

碁打ちとは今でいう情報ネットワークの走りだったのですね。

春海は次男で、家の後継ぎになる事もなく碁打ちを生業としながら
神道、朱子学、算術、測地、暦術などの特殊技能を持っていた。

後継ぎになれない次男や三男は仕事や地位欲しさから多くの事を学んでいたようです。



春海は碁よりも算術に夢中。
算術の面白さは未知と自由で個々の才能を閃きによって導かれる所にある。

物語りの初めは、神社に吊り下げられている絵馬に
算術の難問難題が出題されてると聞き、
それを見に行くシーンから始まります。

それに解を示すと正解すれば「明察」という文字で誉められ
誤ってると「惜しくも」とか「誤謬(ごびゅう)」と書かれる。
神の前で算術の真剣勝負がされていた。

そこで春海は複数の絵馬に明察解答してる人物「関」という名を胸に刻みます。


後に出会う「関」ですが、
春海の人生に大きな影響を与えた人物であり、支えた人物であります。


関の事が知りたくて、とある塾を尋ねると
「関」はその塾でも「解答さん」と呼ばれ知る人ぞ知る存在で
そこに張り出されていた出題難問に解を書くためだけに
塾を訪問しているらしい。年齢も春海と同い年。


この塾を通して春海は会った事もない関に
名指しで難題を出します。

最初の出題は春海の問に誤りがあり
解が導かれなかったのですが
その誤りから春海という人物がどう見えたのか
関はこの問に興味を持ち、春海という人物にも興味を持ちます。


本職の碁打ちの仕事で老中の酒井に呼び出され
酒井の下命で北極星を見て緯度を計測する事となり
春海は観測隊の隊長62歳の建部と副長57歳の伊藤の補佐として
長い旅に出ます。

無口な隊長と副隊長は歩きながらその歩幅と算術で
緯度を予測するという賭けめいた事をしていて
春海もビックリです。それがいい加減な数字じゃないのだからなおさらです。

その旅を通して建部と伊藤から暦のずれについて知らされ
暦についての考えや思いを伝えられ、
経験は乏しくても若さだけはある春海に引き継がれて行きます。



江戸時代初期には宣明暦という中国暦が用いられていましたが
800年以上使用されることによって2日の誤差が生じました
中国と日本では経度が違いますからズレが生じるのは当然の事で
暦の寿命を感じながらも変えられなかったのは
旧い伝統を神秘化し朝廷の要職が世襲化していた事から
新たに改めると消え落ちるのではないか・・と保守的な考えが原因のようです。



建部が病に倒れ観測隊から離脱し、その後伊藤と共に無事任務を終えると今度は
会津藩主保科正之から改暦の義を拝命した。
春海が改暦に挑む最中に妻や仲間が亡くなっていきます。

その哀しみを乗り越え改暦に挑戦し続ける春海

ずっと採用されていた宣明暦に対して、春海が授時暦で勝負する場面が面白かったです。
今後2年間で起こる6回の『日月の食』を宣明暦と授時暦で
どちらが正確なのかあてる勝負です。

春海がイチオシの授時暦は5連勝しますが最後で予測を外し、敗れます。

授時暦の誤りが見抜けず苦難してる所で初めて
関と出会い、新しい暦、大和暦=貞享暦を生み出します。

これは日本人が作り出した初めての和暦です。
そこまでは何年も気の遠くなる作業がありましたが、
これまで、自分が重ねてきた事、体験した失敗があったからこそ
誕生した暦です。


暦が違うとどんな問題が生じるのか
当たり前のようにカレンダーを見てる私の脳内では
そんな視点
感じた事もありませんでした。

暦で取り計られる祭りや陰陽師による儀式的な事
農業のこと、江戸時代の人達には特に重要だったようです。


脇役も含め渋川春海などの人物設定がとても魅力的に描かれていました。
暦を作るという作業から、堅物なのか?と思いましたが
ひょうひょうとした感じで素直で憎めない人物です。
しかも、よく人に怒られていて、親近感がわきます。


関と春海の算術問答を通して
江戸時代における算術というものが、
確立して行く姿は読んでて
とても興味深かったです。


江戸時代とは腰に刀があり、武士が真剣勝負をしていた頃です。

春海の真剣勝負は、暦 との戦いでした。

碁打ちという身分で改暦に至るまでの真剣勝負
読ませて頂きました。

カレンダーに拝!



コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。